キャリア設計

0章|高専生が一番やってはいけないこと

更新日 2026-01-20著者 YoshihikoSato
0章|高専生が一番やってはいけないこと
  1. ――それは「何も決めない」ことだ
  2. 高専は「決めなくても進めてしまう」場所だ
  3. 「何も決めない」は、実は選択だ
  4. 1年生で何もしなかったからといって、詰みではない
  5. 向いていない分野は「見切る」のではなく「仮決め」する
  6. 高専には「やらせてもらえる環境」が揃っている
  7. 高専生活は、想像以上に早く終わる
  8. このシリーズで伝えたいこと

――それは「何も決めない」ことだ

高専に入学したとき、多くの人が心のどこかでこう思っている。

「そのうち就職先は決まるだろう」

「高専生なんだから、なんとかなるはずだ」

「今はまだ1年生だし、考えるのは先でいい」

将来のことまで考えなくても、

少なくとも就職先くらいは、いつか自然に決まってくれる。

そう思ってはいないだろうか。

だが、はっきり言う。

就職先は、勝手には決まらない。

そしてもっと危険なのは、

勝手に決まってしまう就職先ほど、リスクが高いという事実だ。

高専は「決めなくても進めてしまう」場所だ

高専という環境は特殊だ。

  • 推薦制度がある
  • 求人が多い
  • 周囲も同じ進路感覚を持っている

その結果、

自分で深く考えなくても、前に進めてしまう構造になっている。

1年生のときは基礎科目中心で、

「今は勉強だけしていればいい」と言われる。

2年生になると実験や実習が増え、

課題をこなすだけで手一杯になる。

3年生になると専門科目が本格化し、

「ついていくこと」が最優先になる。

4年生になれば研究室や進路の話が出てくるが、

その時点で初めて考え始める人も多い。

そして気づいたら、

「選ばなかった」のではなく

「何も決めないまま、流れで選ばされている」。

これが、高専で最も起こりやすい失敗だ。

「何も決めない」は、実は選択だ

ここで重要なことを言う。

「何も決めていない」という状態は、

中立でも保留でもない。

それは、

  • 周囲の意見に流される
  • 制度に身を委ねる
  • その場で一番楽な選択を取る

という選択を、すでにしている状態だ。

つまり、

決めないこと自体が、一つの決断になっている。

しかもこの決断は、

自分の価値観や人生設計とは無関係に進んでいく。

1年生で何もしなかったからといって、詰みではない

ここで誤解してほしくない。

1年生で何も考えていなかったからといって、

人生が詰んでいるわけではない。

むしろ、

1年生の段階から人生設計まで考えて行動できている人は、

正直かなり強い。

だがそれは同時に、

今からでも考え始めれば、まだ十分に間に合うということでもある。

問題は、

「まだ早い」「そのうち考える」と言い続けて、

考えない状態を当たり前にしてしまうことだ。

向いていない分野は「見切る」のではなく「仮決め」する

高専生にありがちなのが、

「向いてない」と早々に判断してしまうことだ。

確かに、向き不向きはある。

努力しても伸びにくい分野は存在する。

だが、多くの場合それは、

  • 情報が足りない
  • 比較軸が少ない
  • まだ基礎段階に過ぎない

状態で下された、早すぎる結論だ。

本当に必要なのは、

「これは違う」と切り捨てることではなく、

  • 今の時点では合わなさそう
  • もう少し別の方向も試してみる

という仮の方向性を決めることだ。

方向性を仮決めするだけで、

学び方も、聞く相手も、集める情報も変わる。

高専には「やらせてもらえる環境」が揃っている

高専の強みは、

制度でも設備でもなく、環境だ。

  • 先生との距離が近い
  • 研究室に早くから出入りできる
  • 先輩とつながれる
  • 外部に出るチャンスもある

ただし、これは待っていても与えられない。

基礎を身につけ、

自分なりに方向性を持ち、

能動的に動いた人間にだけ、環境は応えてくれる。

逆に言えば、

何も決めず、何も聞かず、何も動かなければ、

どんなに恵まれた環境でも意味をなさない。

高専生活は、想像以上に早く終わる

「まだ1年ある」

「まだ時間はある」

そう思っているうちに、

高専の5年間は驚くほど早く過ぎていく。

何も考えずに過ごせば、

選択肢は自然に狭まっていく。

逆に、

雑でもいいから考え、言葉にし、

仮でもいいから方向を決めていれば、

選択肢はむしろ増えていく。

このシリーズで伝えたいこと

この先の章で繰り返し伝えるのは、たった一つだ。

高専生活で一番やってはいけないことは、

「何も決めない」ことだ。

完璧な人生設計はいらない。

最初から正解を出す必要もない。

だが、

  • 自分はどう生きたいのか
  • そのために、今どこに向かうのか

これだけは、

仮でもいいから決めてほしい。

決めることで、考えられる。

考えることで、修正できる。

この文章が、

「考え始める決断」をするきっかけになれば、それでいい。

ここから先は、

そのための話をしていく。

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